お風呂が好きなわけ

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一人暮らしは、そのマンションの規約さえ きっちり守ればお風呂生活はオアシスだ。 その当時にお付き合いしていた人の 持ち家と言うか、オーナーマンションの あの部屋の風呂に比べたらすごく一般的なんだけど……。 初めての一人暮らしは十二月。 寒い時期だった。 実家暮らしとは違ってお湯を張るところからで、帰って直ぐに風呂に入れた事はあらためてありがたいと思った。 でも、好きなスタイルで楽しむためには やはり、一人暮らしだよね。 仕事から帰って直ぐにやる事は、お風呂洗い。そしてお湯はり。 お湯が溜まる間に、出勤前に干しておいた 洗濯物を取り込む。 締め切った部屋の窓を開け空気の入れ替えもついでに。 夕食の支度をしながら、楽しいお風呂タイムを待つ。 時には、定時で実業団の稽古さえなければ お気に入りのお風呂屋さんへ行って 先にお風呂を済ませて帰宅っていうのもあった。 その時に付き合っていた年上の人の家に行ったらまた別な時間の流れになる日もある。 最上階の部屋のお風呂は広くて 窓なんかも大きいからなんだか夜空が近くて お酒なんかも用意してくれるけど なんか遠慮しちゃって好きな楽しみ方が出来なくて好きなお風呂がやや苦痛だったけ。 その度に、現在(いま)夫……初めの彼との お風呂の事を懐かしく思ったりした。 彼のマンション(会社借り上げ)の小さなお風呂の時間、ホテルの大きなお風呂の時間 旅行先のお風呂の時間、あちこちの銭湯や 当時健康ランドと言われた温浴施設の時間……。 ……一緒にお風呂を楽しめる人だった。 豪華なお風呂にはいれるのに、彼の事を 思い出して…… いわゆる良物件の年上の人と離れた要因のひとつは、これではないかとつくづく思う。
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