左右の神仏

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神主も言った。 「真ん中を通ると、神様と仏さまがその人を取り合うんだ。神様どうしって仲良くないからな。身体はともかく、魂を二つに裂かれちゃうぞ」 魂を二つに裂かれちゃうと言う言葉に、僕は心底震えあがった。 二人に送られて道を出て、僕は家に帰った。 「お帰り。早かったのね」 母はそう言った。 もちろん僕は、あの道を通ったことを誰にも話さなかった。        終
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