<2・仲良く、落下。>

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 そして一人でこっそり尾行しようとして、あえなくパァン!と撃ち殺されるというわけだ。昨夜踏んでしまったのはこのバッドエンドだった。  ちなみに、このルート以外にも地雷のようにバッドエンドが埋まりまくっている。友人同士の諍いに巻き込まれて階段から転げ落ちるとか、嫉妬に溺れた悪役令嬢に刺殺されるとか、あるいは道を歩いていて馬車に轢かれるとか強盗に人質にされてあえなく――だとか。 ――そう考えると、このヒロインちょっと不運がすぎるんじゃないの?  オフィスにて。昼休みの時間に見た攻略情報の数々を思い出し、つみきは少々げんなりしたのだった。 ――何やっても死亡フラグ完全回避にならないって凄くない?恋愛の攻略可能キャラクター十二人に対して、死亡を伴うバッドエンドの数八十五パターンて!しかも全部専用スチルあるって!一体製作者は何に力入れてたのー!?  このゲームがR指定である最大の理由。確かに僅かばかりえっちなシーンもあるが、それ以上に残酷なシーンが多いのが原因だろう。なんといっても、ヒロインの死亡スチルが多すぎる。真っ二つになって死ぬ、轢かれて死ぬ、射殺されて頭が割れて死ぬ、夜道で刺されて死ぬ、階段から落ちて首が折れて死ぬ、などなどなどなど。そのパターン全てにイラストがあるのだから、もう拘りが凄いとしか言いようがない。  絶対作った人はリョナラーだろ、と思う。ちなみにこの死亡スチル、ヒロインのセシリア以外にも用意されているのがなんともえげつない。美少女もイケメンもイケオジもロリショタも容赦なく死ぬようだ。 ――昨日はAボタン押しちゃってスチルゆっくり見なかったけど、今日は見た方がいいかな。……いやでも、ヒロインの頭が弾けてるスチルじっくり見るのもなんだかな……。  ちなみに。  昨日自分が試したルートは、そもそも大尉に選択を迫られた時点で詰んでいたということらしい。  もし、大尉に結婚を迫られてノーと突っぱねればあの場で射殺。渋々イエスと頷けば、なんとあの庭の庭園の繁みの中でレイプされるというとんでもない展開に。そのシーンは幸いスチルなしでほぼカットされるのだが、それが原因でセシリアは心を病んで自ら命を絶ってしまいました、で終わるので結局バッドエンド不可避なのである。 ――つまり、あそこで大尉を追いかけちゃいけなかった、と。……いや、でも追いかけないと話が進まないような気がしちゃうでしょ、あの場面。  セーブがこまめにできるのが唯一の救いか。
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