感情がつもる

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感情がつもる

 私の中に、喜びが降りつもります。それは、果てしなく広がる上空から、土砂降りの雨のように、溢れていくようにつもります。  私の中に、怒りが降りつもります。それは、果てしなく広がる上空から、轟音が鳴り響く雷のように、打ちつけられるようにつもります。  私の中に、悲しみが降りつもります。それは、果てしなく広がる上空から、しんしんと雪のように、静かにつもっていきます。  私の中に、楽しさが降りつもります。それは、果てしなく広がる上空から、吹き抜ける嵐のように、激しく荒れるようにつもります。  私の中に、感情が降りつもります。それは、大波のように休む間もなく、荒れて、揺られ、流され、迫り続け、私を深く海の底へ沈めていくように、つもっていきます。  感情に押し潰されないように、耐えて、耐えて、耐えて、堪えて、堪えて、堪えて、絶えて。  私は感情を捨てました。
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