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「でも、戻ってくるんだろ」
「インターハイがあるからな、阿仁川工業高校剣道部員として出場するからな」
「それはいいとして、真紀が戻ってきたら、どうするよ」
誰も言葉を発しなかった。
「普通に扱えばいいだろ」と旬。「島津のことは関係ない。俺たちは高校生だ」
「そうだよな」
「真紀には、すべきことがあるものな」
ああ、と言い、旬は口を引き結んだ。
旬の脳裏には「お父さんは無念だったろうに」と言った真紀の言葉が、あの時以来、何度も何度も繰り返されている。
(俺の、すべきことは)
旬は、空を見上げた。雲が流れている。
どこからか、蝉の鳴き声が聞こえてきた。
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