四角関係

1/7
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ

四角関係

(※告白後の話) 朝、私は嫌々颯人と登校し、途中で魁斗に会った。 サヤ:魁斗、おはよう 颯人:よぉ、相福 魁斗:おはよ~、やっぱり仲良しだね? 魁斗は不思議そうな顔をしていた。そう(とら)えただけで、実際そうかどうかは読み取りにくいが。 サヤ:やめてくれないかしら? 颯人:あっはははw サヤ:笑い事じゃないから 思わず颯人には辛辣(しんらつ)になってしまう。 それもそのはず。前からずっと私をイジっているから。 しかも、私と颯人が一緒に登校してることから、さっき魁斗が言ったように、仲良しだと言われることがとても多い。 言われた回数は数えたら呆れる程に。 それに、クラスの恋話好き女子達からは、かなり恋愛方向で好きなのかとか聞かれる。 ──私が颯人を?有り得ないわ。 ただ、颯人が嫌がってるようには見えないのが不思議。 裏で脅してたり言い返してたりしてるところさえも聞かない。何故だろうか? そう悩みながら、私達は教室に入った。  :──毎回 音﨑は男とよくいるよなぁ。 そう言われ、私達は振り向いた。 その声の主は、長谷田(はせだ) 奏斗(かなと)。私とは、小1の時からの友達。結構付き合いも長いし、仲も良いのだが、未だに何言ってるのかわからない事がある。 しかも、それを調べようとしたらかなり止められるし・・・何なの? とにかく、私は好きで男と一緒にいるわけではない。颯人に関しては彼の方から。魁斗は私から。だって魁斗の方から全然来てくれないから。 サヤ:・・・そう言いつつ、あんたも来てるじゃない、長谷田。 奏斗:え~?(奏斗)は相福や平野が居たから来ただけだよ~? サヤ:変なところで天然っぽさださないで。そう言うキャラじゃないでしょ。 奏斗:辛辣だなぁ・・・。 辛辣にさせてるのは奏斗と颯人じゃない?魁斗は全然何も言ってないよ? その奏斗の言葉に共感したのか、颯人が追加で、 颯人:俺に対しても辛辣だよなあ? サヤ:貴方は単純にイジってくるからよ。 颯人:そうかぁ? サヤ:そうかぁ?じゃないの。 颯人:ははっww ──だからこっちからしたら笑い事じゃないんだって。 と、心の中で突っ込みをいれた。 魁斗:──。 ──あれ? 今気付いた。魁斗が全然話してない。なんなら真顔。 何かあったのか、と聞くべきか? 颯人:・・・、そういや相福、全然しゃべってないけど生きてるか? 魁斗:そりゃぁ立ってるもん。生きてるよw 奏斗:でも魂抜けたみたいな顔してたよ? 魁斗:え、そうかな? 颯人:そうだ。なあ音﨑? そこで私に振る?まぁいいか。 サヤ:そうね。無情だったわ。魁斗、もししんどいなら言ってね?心配だから。 魁斗:うん。でも大丈夫!気にしなくていいよ! ──ごめんそれは無理。 サヤ:そうやって無理するんでしょ?今まで、ずっとそうじゃない。大丈夫って言っておきながら、いつもフラフラしてるのよ?前も貧血で倒れたし・・・。 魁斗:うっ・・・(;゜゜) サヤ:だから、お願い。──無理も無茶も、しないで。 これ、魁斗だから言えることなんだよね。他の人だったら絶対言ってない。特に颯人は。奏斗はいつも身体壊してるから何とも言えない。 魁斗:わ、わかった。でも、今日はちょっと寝不足なだけだから! サヤ:ホントに?それだけならいいし、ないと思うけど、授業中寝ちゃったりしないでね? 魁斗:うん。大丈夫。 サヤ:何かあったら、絶対言ってね? 魁斗:うん。心配かけてごめん、ホントありがとね。 サヤ:ええ。 という微笑ましい会話も交える。 そうすると、必ず── 颯人:俺にはそう言うのぜってーねぇよな。 サヤ:は? 颯人:辛辣だし サヤ:いつもの事でしょう? 颯人:それでも相福には優しいし サヤ:当然ね。 颯人:俺にはぜってーねぇなあ。 サヤ:魁斗はイジってきたりしないもの、あなたみたいに。 颯人:やれやれ、今日も通常運転だな・・・。 と言う不満状態颯人との会話も交えたりする。 そして奏斗は、よく笑って“なんでもありません”みたいな顔をするの。 ──言いたいことあっても、よく逃げるのよ、奏斗は。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!