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四角関係
(※告白後の話)
朝、私は嫌々颯人と登校し、途中で魁斗に会った。
サヤ:魁斗、おはよう
颯人:よぉ、相福
魁斗:おはよ~、やっぱり仲良しだね?
魁斗は不思議そうな顔をしていた。そう捉えただけで、実際そうかどうかは読み取りにくいが。
サヤ:やめてくれないかしら?
颯人:あっはははw
サヤ:笑い事じゃないから
思わず颯人には辛辣になってしまう。
それもそのはず。前からずっと私をイジっているから。
しかも、私と颯人が一緒に登校してることから、さっき魁斗が言ったように、仲良しだと言われることがとても多い。
言われた回数は数えたら呆れる程に。
それに、クラスの恋話好き女子達からは、かなり恋愛方向で好きなのかとか聞かれる。
──私が颯人を?有り得ないわ。
ただ、颯人が嫌がってるようには見えないのが不思議。
裏で脅してたり言い返してたりしてるところさえも聞かない。何故だろうか?
そう悩みながら、私達は教室に入った。
:──毎回 音﨑は男とよくいるよなぁ。
そう言われ、私達は振り向いた。
その声の主は、長谷田 奏斗。私とは、小1の時からの友達。結構付き合いも長いし、仲も良いのだが、未だに何言ってるのかわからない事がある。
しかも、それを調べようとしたらかなり止められるし・・・何なの?
とにかく、私は好きで男と一緒にいるわけではない。颯人に関しては彼の方から。魁斗は私から。だって魁斗の方から全然来てくれないから。
サヤ:・・・そう言いつつ、あんたも来てるじゃない、長谷田。
奏斗:え~?僕は相福や平野が居たから来ただけだよ~?
サヤ:変なところで天然っぽさださないで。そう言うキャラじゃないでしょ。
奏斗:辛辣だなぁ・・・。
辛辣にさせてるのは奏斗と颯人じゃない?魁斗は全然何も言ってないよ?
その奏斗の言葉に共感したのか、颯人が追加で、
颯人:俺に対しても辛辣だよなあ?
サヤ:貴方は単純にイジってくるからよ。
颯人:そうかぁ?
サヤ:そうかぁ?じゃないの。
颯人:ははっww
──だからこっちからしたら笑い事じゃないんだって。
と、心の中で突っ込みをいれた。
魁斗:──。
──あれ?
今気付いた。魁斗が全然話してない。なんなら真顔。
何かあったのか、と聞くべきか?
颯人:・・・、そういや相福、全然しゃべってないけど生きてるか?
魁斗:そりゃぁ立ってるもん。生きてるよw
奏斗:でも魂抜けたみたいな顔してたよ?
魁斗:え、そうかな?
颯人:そうだ。なあ音﨑?
そこで私に振る?まぁいいか。
サヤ:そうね。無情だったわ。魁斗、もししんどいなら言ってね?心配だから。
魁斗:うん。でも大丈夫!気にしなくていいよ!
──ごめんそれは無理。
サヤ:そうやって無理するんでしょ?今まで、ずっとそうじゃない。大丈夫って言っておきながら、いつもフラフラしてるのよ?前も貧血で倒れたし・・・。
魁斗:うっ・・・(;゜゜)
サヤ:だから、お願い。──無理も無茶も、しないで。
これ、魁斗だから言えることなんだよね。他の人だったら絶対言ってない。特に颯人は。奏斗はいつも身体壊してるから何とも言えない。
魁斗:わ、わかった。でも、今日はちょっと寝不足なだけだから!
サヤ:ホントに?それだけならいいし、ないと思うけど、授業中寝ちゃったりしないでね?
魁斗:うん。大丈夫。
サヤ:何かあったら、絶対言ってね?
魁斗:うん。心配かけてごめん、ホントありがとね。
サヤ:ええ。
という微笑ましい会話も交える。
そうすると、必ず──
颯人:俺にはそう言うのぜってーねぇよな。
サヤ:は?
颯人:辛辣だし
サヤ:いつもの事でしょう?
颯人:それでも相福には優しいし
サヤ:当然ね。
颯人:俺にはぜってーねぇなあ。
サヤ:魁斗はイジってきたりしないもの、あなたみたいに。
颯人:やれやれ、今日も通常運転だな・・・。
と言う不満状態颯人との会話も交えたりする。
そして奏斗は、よく笑って“なんでもありません”みたいな顔をするの。
──言いたいことあっても、よく逃げるのよ、奏斗は。
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