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番外編2 大人の時間♡ ~爛×燐~
雑貨店女店長、高橋(たかはし)爛(らん)には、大切な双子の妹、駅前の楽器店女店長の燐(りん)がいる。
生まれた時から瓜二つで、学生時代は爛を燐と間違えてや、燐を爛と間違えての告白も多数発生した。
彼女らは相手と瓜二つな自分が好き、自分と瓜二つな相手が好きで、三十五年間、片時も離れたことはない。
きっと死がふたりを分かつまで、一緒にいるだろう。
そんな、爛の店に鉄郎が華澄を連れて行った日。
新作リングのオンラインショップ用のあれやこれやで遅くなった帰り。
きっと遅くなったことに不満を持つだろうと、同棲している妹へピザと酒を買って帰る。
「ただいま~」
マンションの部屋の奥からバタバタと忙しない足音。
そして、バンっとリビングへつながる扉が開く。
「爛、おっそーい!!」
「うぎゃ!! いきなり抱き着くなよ・・・・・・」
「だって、待ってたんだよ。あんたの帰りを」
寂しかったのか、勢いよく爛に抱き着き、擦り寄る燐。
爛はそんな可愛い妹の頬に手を触れ、柔く口づけする。
「ただいま、燐」
「おかえり、爛」
玄関できつく抱きしめあう二人。
まるで何年も会っていなかったかのよう。
二人は常に一緒にいたい。
元は、同じ卵の中だったように、常に一緒じゃないと不安になる。
でも、社会人になって、仕方なしに日中はお互いと離れて過ごしている。
『これは恋愛なんだろうか』
一度、爛は燐に問うた。
燐は答えた。
『私たちは双子なんだから一緒にいて、溶け合ってて当たり前なんだよ』と。
なんて尊いんだろうと思った。
「燐、ピザとお酒買ってきたから」
「お! 流石爛♡ 私の食べたいものよくわかってる~!!」
ルンルンと鼻歌を歌いながらピザと酒を受け取り、スリッパをパタパタさせながら燐はリビングへ入る。
爛は手を洗いに手洗い場に向かってから自室に向かい、部屋着に着替えてリビングへ。
リビングではダイニングテーブルに燐が料理を並べていた。
「「いただきます!!」」
カンっと酒の入ったグラスを鳴らす。
爛の買ってきたピザや、燐の作った料理に舌鼓を打つ。美味い。
「今日、てっちゃんが華澄ちゃんを店に連れてきたよ。あんたも知ってんでしょ? 双子の子」
「ああ、双子ちゃんのお姉ちゃんの方ね。なんでてつくんと? 出来てんの?」
「うちでバイトしたいって。軽音で一緒だから連れてきたっつってたけど、なんか、華澄ちゃんは好きみたい。てっちゃんのこと」
「へー。そんな感じしてたわ」
共通の客がいると嬉しくてつい話してしまう。
鉄郎のように爛が楽器店店員だった頃からの客や、爛燐の顔を見て「あれ?? 双子??」となった客はお互い把握している。
「あ、ねぇ、新作のリングかっこいいね」
「あ、もう見たの?」
「だって、暇だったから」
オンラインショップの記事を更新したのは、つい一時間前だ。
愛いやつめ、と爛は腕を伸ばして燐の喉元を撫でる。
「うにゃ・・・・・・。やめろよ。したくなんじゃん」
「じゃあ、早く食べてお風呂入んなきゃね」
「ん」
それから二人は黙々と夕飯を食べ、風呂に入り、ベッドへ。
ここからは、大人の時間だ。
「ん・・・・・・♡」
「キスしただけなのにもうこんな濡れて・・・・・・。えっちね、燐は」
「るっさい、んあぁっ♡」
ジュッジュッと燐の蜜壺から溢れる蜜を真っ赤な舌で舐めとる爛。
舌が燐の秘部を犯すたびに燐は体をくねらせ、愛おしい姉がくれる快楽に身をゆだねる。
関係が親にバレたときは、さんざん非難された。
双子なのに、姉妹なのに、と泣かれた。
でも、それよりもお互いを失うことの方が怖くて。
彼女らは高校卒業とともに親と縁を切って二人で生きてきた。
もう怖いものなんてない。
貴方を失うこと以外は。
「おねえちゃん・・・・・・」
「なぁに?」
「おねえちゃんが死ぬ時は私を殺してからにしてね」
「いいよ」
爛は燐の首を手で締め上げる。
「あ、が・・・・・・」と苦しそうな息が漏れた後、燐は絶頂した。
燐は爛が与えてくれる痛みでさえ、愛おしかった。
朝、燐が気だるげに起きると、指にはあの新作のリングがはまっていて、隣の姉の同じ指にもそのリングがはまっているのを確認すると彼女は満足げに笑うのだった。
―つづく―
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