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俺は、つぶれない豚骨ラーメン屋を30年している。
あれはまだ、うちの組が、四次団体だった頃の話。
俺は、まだ十代で右も左も解らない❗今でも、解ってないが❗30年前の話。
勢いで、墨を入れに行ったら、痛すぎて、2時間で、帰ってきた❗
お店で、働いたら、年配の熟女に色目使われて、席に案内したら、お客様にどやされて、若い女の子にチクられて、毎日大変な目にあっていた❗
しばらくすると、俺にも春がやって来た。
彼女も、皆からハブられていた❗
彼女のミスも何度かカバーして、たまに、メールする仲になった❗
それだけで嬉しかった❗
しかし、長くは続かなかった❗
彼女は、店をやめて、お風呂に沈む事になった❗
しばらくして、お昼に会いたいとメールが来た❗
俺は、正直天に昇る気分だったよ❗
待ち合わせの場所につくと❗
彼女は、キャリーケースを持って待ち合わせの場所に来た❗(飛ぶ気だ❗)
今日だけでいいから❗と言った。
そして、夕方になりシェアハウスしている兄貴に確認した❗
今日、お店休みます❗それと、部屋を一晩貸してください。とお願いした❗
兄貴の方は了解取れたから❗兄貴が、部屋から出る時間に、行こうと言った❗
部屋に入り。冷蔵庫を確認すると❗何も無かったので❗俺は、急いで買い物に行った❗
帰ってから、不器用ながらも、チャーハンを作って、二人で食べた❗
11時を廻った頃、兄貴がチャイムを三回連打した。そして自分の鍵でドアを開けて、中に入ろうとしたが❗チェーンが掛かっていた。兄貴は、チェーン越しに『真理奈が、ソープから飛んだ❗』と言った。
俺は、チェーンの掛かったドアに近づき。
『真理奈って、誰ですか?加奈子ならいますけど』と言って、ドアのチェーンを外した❗
伊東の兄貴は、ドアをおもいっきり開けた❗
すると、俺より身長低いのに、俺の頭をポンポン叩いき、
『でかした、倉内』と言って、俺の部屋に入った❗
加奈子は、『ごめんなさい、ごめんなさい』と言って、謝っていた❗
兄貴は、加奈子の持ってたキャリーケースを開けて、ひっくり返した❗
兄貴は、加奈子の荷物の中から、自分の腕時計のケースとシルバーアクセサリーを見つけた❗
『ちょいちょい、この加奈子が出勤した時にだけ、皆の物が無くなるのよ❗』と話した。
加奈子は、『ごめんなさい、許してください、何でもします』と言った❗
『こいつ、組に700万の借金が在るらしい』と言った❗
そして兄貴は、phsで、若頭に電話した❗
俺は、自分の部屋に入ると❗加奈子の荷物と一緒に、俺の貯金箱が二つ転がっていた❗
俺は、貯金箱を元の位置に戻して、加奈子の荷物を、キャリーケースに入れた。
加奈子はずっと『ごめんなさい、ごめんなさい、許してください』と謝っていた❗
そして、兄貴は、『はい❗解りました❗黒のワゴン車ですね❗失礼します❗』と言って、頭を下げてた❗
玄関で、喋ってた兄貴が、ベランダに出て、入り口の様子を見ていた❗
そして、黒いワゴン車が入り口に止まると❗
『行くぞ』と言った❗
俺達は、階段を降りて、黒いワゴン車に乗った❗
それは、デリヘルの送迎用で、兄貴は椅子に座れたが❗俺と加奈子は、床に座った❗
組の近くにある。汚いラーメン屋の前で、ワゴン車は止まった❗
俺達を降ろしたワゴン車は、直ぐに消えた❗
そこには、若頭の車と、別の車が止まっていた❗
ラーメン屋の電気が点き。ドアが開くと、若頭が、俺達を手招きした❗
俺達三人は、ラーメン屋の中に入った❗
中に入ると、若頭ともう一人、割烹着とエプロンを両方着た男性がいた❗
そして、『ドアを閉めて、カーテンで、店を隠せ❗後、電気を消して、お前らは、ここで待機だ』と言った❗
俺達は直ぐに動いた❗
若頭と割烹着と加奈子の三人で、奥の厨房に消えた❗
最初の五分は、騒がしかったが❗俺達が、入り口を隠し終わる頃には、静かになった❗
一時間ちょっとで、割烹着の男性が、クーラーボックスを大事そうに抱え、厨房から出てきた❗
クーラーボックスを、カウンターに置いて、少し血の付いた、割烹着を脱ぎ捨て、ジャケットを着た❗
少し遅れて、若頭が厨房から出て来て、
『先生❗どうか、前田の叔父きを助けて下さい』と、頭を下げた❗
『ドナーの心臓が在るのは有り難いですね。後、肝臓も綺麗だ』と先生が言った❗
先生は、クーラーボックスを抱えて。
『急いでいるから❗ドアを開けてくれないか❗』と俺達に言った。
俺達は、急いでドアを開けた❗
若頭は、先生を見送った後、俺達に、
『後片付け、お願いします』と言って、車に乗り。帰って行った❗
俺達は、恐る恐る厨房に入って行った❗
中央のテーブルに、加奈子が寝ていた❗
兄貴は、逃げ出した❗俺は腰が抜けて、そして、チャーハンを吐いた❗
少しして、ゆっくり、加奈子に、包丁を入れた❗最初に目の前にあった、左手から切り落とした❗
しかし、包丁は直ぐに切れなくなり、時間だけが、簡単に過ぎて行った❗
四時を廻った頃、急に勝手口の鍵が開いた❗
そして、お婆さんがドアを開けて入って来た❗『話は聞いてる❗お前らの手伝いをしろと言われて来た❗』とお婆さんは言った❗
『ちょっと、私がやるから❗見てなさい』と言って。
テーブルの横に立ち❗出刃包丁とシャ―プナーの二刀流で、加奈子を、解体し始めた❗
お婆さんが、解体して、俺は助手で、寸胴で、骨を煮て。肉は、業務用のフードプロフェッサーで、ミンチにして、食紅を入れて混ぜた❗それを永遠と繰り返したら、8時過ぎに、若頭が釣りに行く格好で現れた❗大きい、ペール缶に入ったミンチに、蓋をして、
二つ持ち。ラーメン屋に、飾ってた釣竿を、車に積んで、『伊東兄貴の事を聞いて来た』
俺は、正直に兄貴が、出て行った事を伝えた。
そして、若頭がいなくなって二時間後には、厨房の掃除も終わって。骨も、少し砕いてビニールを二重にして、箱も二重にして、組の系列の肥料業者に送った❗
くたくたになった俺は、部屋に戻り兄貴の事も確認せずに、そのまま眠った❗
夕方に起きた❗その時、兄貴がいないのを確認した❗
お店に、出勤しても、兄貴はいなかった❗
そして、兄貴と再開したのは、3日後のラーメン屋だった❗
その五年後、お婆さんが亡くなり❗
二年前まで、一人でラーメン屋をして❗
月一ぐらいの割合で、仕事が入った❗
それ以外は、若頭が内職を持って来た❗
来月❗このラーメン屋は、取り壊しになり。この辺一帯が、マンションに変わるらしい❗
その後は、今一緒にヤっているやつが、肥料工場の近くで、ラーメン屋をするらしい❗
そして、今日❗本家の幹部になった、元若頭に呼び出しされた❗
『倉内君、今までありがとう』
『俺も、年でさ❗』
『あっち❗こっち❗がたが来てるんだよ❗』
『倉内君がさ、もし❗いっぱいお給料を貰ってさ、飲み屋に通って、肝臓を壊したらまずいし❗女に走って、変な病気貰っても、俺が困るわけだ❗』
『倉内、ラーメン屋が、マンションに変わるのは嘘だ❗』
『俺の肝臓ヤバイらしい❗』
『倉内君、ごめんなー』
俺は、ラーメン屋から解放された。
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