epilogue それは次のseasonへ…

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聖香の声が、耳の奥になだれ込んでくる。クスクスと含み笑いが聞こえて、なんか、泣きそう。 会ってなかったときは、もう吹っ切れてると思ってた。思い出として、切り替えることができると思ってた。でも、声を聞くと、…顔を見ると、思いが昂って胸が締め付けられる。 「大地?聞いてる?」 「えっ」 聖香に言われて、俺は我に返って聖香を見つめた。聖香はフッと微笑んで、 「卒業、おめでとう」 と言ってくれると、俺もそんな笑顔を見てちょっと照れながらも、小さく頷いた。 「サンキュー。あ、そっちは今何時?時差は7時間、だっけ?今、昼間?」 「うん。よく知ってるね。今日は学校も休みで、これから友達と出かけるの」 「友達…?…彼氏?」 「え?」 聖香は少し笑顔が固まって俺を見つめると、俺は自分でハッとして俯いて頬杖をついて横を向いた。 「ご、ごめん。何でもない」 俺が素直に謝ると、聖香も頬杖をついてニコッと笑った。 「女の子」 「…そ、そう?」 「気になる?」 俺はチラッと横目で聖香を見ると、ゴホッと咳払いして誤魔化した。 「ソラヘンがなんか言ってたけど、聖香。なんか、あった?」 「えっ」 今度は聖香の方が少し驚いて、俺の顔をじっと見つめてきた。 「建前ばっかで、本音が見えない、みたいなこと、言ってたよ。ソラヘンとなんか話してた?」 「…昊おじさん、お小遣いいっぱい送ってくるんだもの。心配しすぎでしょ?過保護だから、もうイイんだよって言っただけ」
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