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俺がはっきりとそう言うと、聖香は俺を見つめて、
「そう…。そう、よね。…ありがとう。心配してくれたのね」
と言って微笑むと、俺はため息をついた。
「話してみてよ。年下だって、話くらい聞けるよ」
「…昊おじさんには、言わないでくれる?」
「約束できないよ」
「じゃ、言わない」
「ウッ。…それより、何でソラヘンのこと、《お父さん》って呼ばないの?」
「え?!い、今更呼ばないわよぉ」
聖香は少し赤面して頭を横に振って言うと、俺はまた頬杖をついて聖香を見つめた。
「呼んであげなよ。会った時でもイイんだから。多分、呼ばれたいと思うよ」
「…そ、それは、…おいおい」
「おいおいね…。で、話しを戻すけどさ。今の家、うまく行ってる?一緒に住んでて、色々大変なんじゃない?」
俺が訊ねると、聖香は唇を噛んでコクリと頷いた。
「カールおじさんはね、優しい人。お母さんと結婚する前から優しい人だったし、離婚しても、私のことはすごく可愛がってくれてるの。でも、今一緒に住んでる彼女がね。おじさんよりかなり若くて…。20歳くらい離れてるのかな。親子くらい歳の離れた恋人なんだけど、私が一緒に住んでるのが面白くないみたい。多分、私が一緒に住むようになって、私のことをカールおじさんがすごく気にかけて可愛がってくれてるから、面白くないんだと思う。それでちょっとね。嫌がらせ…されてる」
「えっ。マジ?大丈夫?!」
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