epilogue それは次のseasonへ…

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俺は驚いて聖香を見つめると、聖香の後ろから突然若い女の子が顔を覗かせてきて、 「えっ?」 と言って俺は驚いてその女の子を見つめた。 「ルネー!?何で勝手に入ってきたの?!」 聖香も彼女を見て驚いてドイツ語で話していると、聖香と同じくらいの年の女の子は、パソコン越しに俺を見て笑いながら手を振っていた。 「アナタ、ダイチ??ボーイフレンド!!」 「ルネー!!な、何言ってんの?!」 そこは日本語だ。いつもはおとなしい聖香が顔を真っ赤に染めて動揺して、彼女の肩を掴んでパソコンから引き離した。 「直ぐ終わるから!」 「ソウ?日本ノ女ノ子、オトナシク、待ツ!コレ、ヤマトナデシコ!?」 その女の子は楽しそうにカタコトの日本語で言うと、聖香は頷いて、 「はいはい」 とため息混じりに言いながら席に戻ってきた。焦茶色の巻き毛の女の子は、ニコニコ笑いながら聖香の後ろにあるベッドに座って、聖香の肩越しに俺に手を振っていた。俺も釣られて、手を振り返すと、聖香がまたパソコンの前に座って、 「友達来ちゃった。学校の友達なの。1番仲良い子でね。ルネーっていう子。辛い時、ルネーの家に泊まりに行ったりしてるんだ」 聖香が微笑みながら言うと、俺は聖香を見つめてまた真顔になって、 「辛い時、あるんだね。やっぱり」 と言うと、聖香は「あっ」と言って肩をすくめて目を少し伏せた。
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