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「うーーん。美味しい!コンビニスイーツ!!エクレア、美味しい!!」
公園のベンチで、あたしは公園の近くにあるコンビニで買ってきたエクレアの最後の一口を頬張っていた。
「マジで食うか…。あんなに肉食ったのに」
咲也も呆れてため息をついていて、あたしの顔を覗き込んできた。
「あたし、お肉、足りてないもん」
「え?本気?!」
「ま、いいよ。アイス食べて、ここでエクレアも食べたし」
「…色気より、食い気か…」
「う??なんか言った?」
「いや、別に?」
咲也はそう言ってフッと笑って、ペットボトルで冷たいお茶を飲んでいる。あたしもエクレアを食べ終わると、座っている周りを見回してみた。咲也が座っている向こう側に、あたし用のジャスミン茶のペットボトルがあって、
「あ、あたしも喉乾いた。そのお茶を…」
と咲也の前に身を乗り出して腕を伸ばすと、咲也はあたしの腕を掴んで押し倒してきて、無言のまま唇を重ねてきた。
え?
き、急に?!!
と思っていると、咲也の口の中から麦茶が入ってきた。
ゴックン…。
麦茶を飲み込むと、咲也の唇が静かに離れて、
「うまい?」
と言って微笑んでいた。あたしは不意打ちすぎて、心の準備ができてない。
「うっ…」
「動揺してる?」
「し、してないっ」
「チューしたい?」
「したくない!!」
「したくないんだぁ」
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