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咲也はそんなあたしを見て楽しそうに笑っていると、あたしのスカートのポケットのスマホの着信音が鳴り出した。
「やば。お父さんかな」
「マジか」
あたしと咲也は手を繋いで公園の入り口に向かうと、そこに止めていた咲也のチャリに近寄って、手を離して咲也はチャリのスタンドを外した。
「はーっ。もっとチューしたかったなぁ」
「したでしょ?いっぱい」
「…ま、明日から春休みだし。たくさん遊べる、か」
「そうそう!」
あたしはそう言って微笑みながらポケットからスマホを取り出して画面を見た。案の定お父さんからの着信だ。無視だ、無視!もう帰るから!
そう思っていると、咲也のパーカーのポケットからもスマホの着信音が聞こえてきて、咲也はハンドルを持ちながらスマホを取り出した。咲也はスマホを片手で操作して、
「あ、圭佑」
と呟くと、あたしは咲也を見た。
「着信?」
「いや。LINE……ゲッ」
「ゲッ??」
あたしは咲也を見つめて首を傾げると、咲也はハッとして、あたしを見てスマホを慌ててポケットにしまおうとしたけど、あたしは咄嗟にその手首を掴んで握りしめているスマホを引き抜いた。
まだ画面はロックが外れてるままで、読んでいたLINEの内容が見える。確かにマッキーからのLINE…なんだけど。
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