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高校生撃沈
「あら、気にいってないの?」
ハンプティダンプティは伺うように下から女子高生の顔を覗き込む。
女子高生はコクリと頷いた。
「そう。嫌いな名前で呼ばれるのは嫌よね」
なんだ。やるなおばさん!
融通効くじゃねぇか!
俺はちょっと救われた気がした。
「じゃ、違う名前で呼びましょ。ほらあなた、ショートヘアで可愛いから充希ちゃん! 高畑充希に似てるって言われない? 充希ちゃーん!」
やめてやれ。
かすりもしない芸能人を無理やり引っ張ってくるんじゃねぇ。
自覚あるんだよ、その子。
高畑充希じゃねぇって思ってるよ、その顔は!
「充希ちゃん『高畑充希に似てる』って言われるでしょ?」
「いえ『長州小力に似てるね』って言われます……」
何、辛いカミングアウトさせてんだよ!
もうその子のマインド瀕死だよ!?
「えっ? 長州小力ってもうちょっと髪長いわよ?」
ハンプティダンプティ! 髪の長さを基準に顔の識別をするのはやめろ。
とうとうその子、目が死んじまったじゃねぇか!
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