嫌な予感

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嫌な予感

俺はひとまず混乱する二人を座らせて、話を聞いた。 「先週警察から突然電話がかかってきたんだよ。溺死体が上がったんだけど損傷が酷くて身元が分からなかったらしいんだ」 「その溺死体がなんで俺ってことになるんだよ?」 「歯の治療痕が新しかったから近くの歯医者をしらみつぶしに当たったら、歯型が一致したのでお宅の息子さんに間違いないって言われたんだよ」 「歯型なんて……」 言いかけて俺は口をつぐんだ。歯型といえば一軒心当たりがある!! 俺は慌てて親父の携帯を借り『槍杉デンタルクリニック』に電話をかけた。 「おい、結城って(もん)だけど! 先週警察から身元確認の問い合わせがあっただろう? お前ら、誰の情報開示しやがった!?」
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