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ブラックコーヒーを片手に
"俺に関わった人たちみんな、
しあわせになってほしい。
もちろん、お前もだよ"
ぬるい珈琲を一口飲んで言っていた
ああ、思い出すだけで苛立つ
なら、さっさと
お前が私をしあわせにしてくれよ
なんて、言えるほど強くなくて
目だけ笑って下唇を噛んだ
跡がついたのはみえてなかっただろうか
まあ、彼相手に心配は無用だろうな
冷め切った珈琲を私も一口飲んだ
温めなおせたら、いいのにな
返信、こないのも慣れた
調子いい時だけ返すんだよね
分かってる、分かってる
本当は愛が欲しいこと
私で疑似恋愛してること
それに乗っかって馬鹿みたい
私も本当は愛が欲しい
だから君を切れずに、居るんだ
君とうっかり、一線を超えた
正直怖かった、いや、嬉しかった、か
女、として、みられていたんだ
あの日は空腹にお酒を何杯も入れたから
酔いがすぐに回っていたけど悟られまいと
君が頼んでくれたお酒で誤魔化そうとした
酔いに酔いを重ねていったのは
君も同じだったでしょう?
千鳥足で絡み合った
真っ暗な道は人通りがなかった
私たちは、きゃきゃ、って笑い出した
焦点合わない癖に、私の頬に触れた
どうにか合った君の瞳の中に私が見えた
"捕まっちゃった"が正解、かな
そうするのが普通かのように
冷たい唇同士が合わさった
そこから記憶があるようなないような
あの日から私たちは一線を超えるのに
いっさい、躊躇がなくなった
喫茶店で"最近どう?"を話して
軽く居酒屋でご飯をたべて
お決まりかのようにシーツで乱れて
隙間なく抱き合って眠って
また喫茶店に行ってモーニング
喫茶店の人と気さくに話したり
近くに居た猫と仲良くなったり
誰に対してもそうなんだよね
ああ、それにしても
今回は生きてるのかさえ疑う
返信できる時間、あったよね?
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