語り部とその謎

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パチパチ まばらに拍手が聞こえ出した。 「どうかしら、この怪談。」 「話もっすけど話し方が怖いっすよ。」 「抑揚をつけるのが上手くなったな。」 「ありがとう。」 ここは学園の語り(かたりべ)だ。 昔あった出来事を後世に伝えるためにできた部活だ。 さっき怪談を話したのは羽屋崎(はやさき)未早希(みさき)先輩だ。 彼女は勿論、趣味と実益を込めて話す怪談話がうまい。 この怖がりなのは中等部二年の舜(しゅん)大貴(たいき)だ。 語りはまだまだだが、磨けば……。 と評判だ。 羽屋崎先輩を褒めたのが、部長である。 幼い頃から祖父に語りを教えら、何度も賞に入っている。 教え方も上手く、外部講師が見えないときは指導に回ってくれている。 あとはトレーニングメニュー作成もやっている。 「あら、仙北(せんぼく)ちゃんじゃない。やっと入部したの。」
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