悪役令嬢のお兄様【短編版】

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【2.エリナの成長】  前世にも妹はいた。  よそ様に比べて関係は凄く良好だった。と思う。  だから問題はない。  今世も同じように上手く行くさ。  エリナ1歳 「おにィ~」 2歳 「おにいちゃま~」  3歳 「エりナ、将来はお兄様と結婚したいな」  5歳 「将来はお兄様の妻として、一緒に領の繁栄に努めます」  7歳 「お兄様、汗臭いので近寄らないでくださいませ」  8歳 「うざ……」  うん、失敗した。  問題ありまくりだった。   ♦ ♦ ♦  なぜだ。  なぜ嫌われる?  なぜ避けられる?  実際、ルークはゲーム内でもエリナに疎まれていた。  疎まれていた理由は1つだと思っていた。  それはルークがメタボ野郎だったから。  更に付け加えると、だらしない体をしているくせに、性格が悪く強欲。  学園ではヒロインや他の女性キャラ(平民)に下心を持ち、ちょいちょいちょっかいを出していた。  それも、自分の奴隷にでもしようか的な考えで。  付いていたあだ名が『高級白豚』  口癖は『デュフフ』  明らかにエリナにとってマイナス要素だったと思う。  だから俺、頑張ったよ?  メタボにならないように運動もしたし、勉強も頑張った。  仕えているメイドさんのお手伝いとかもして、素行もよくしたんだけど?  駄目なん?  妹を変えるには、まず自分から変えなきゃって思ったのに、変わるどころか日増しにエリナに嫌われていくんですけど?  いや、別に俺は嫌われてもいいのか?  エリナの性格さえ良ければ。  でもさ、避けられたらどう成長していくのか分からなくなっちゃうんだけど。  詰み?  これはもう詰みなんですか?
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