悪役令嬢のお兄様【短編版】

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【4.不安の種】  10歳になると、俺は父親であるロイドに連れられ、馬に乗って領民の暮らしとういうか、働いてる様子を見に来た。 「どうだルーク。これが我が領土の収入源の1つだ」 「は、はぁ……」  領民たちが必死に汗をかきながら農作業に取り組んでいる。  しかし、目に付くのは仕事の内容ではなく、彼らの容姿。  痩せてる……痩せまくっている。  白豚のロイドとはどえらい違いだ。  どう考えたってダイエットとかじゃないよな。  俺は屋敷に帰り次第、エマにその話をすると。 「税を払うのにいっぱいいっぱいで、自分たちはろくに物を食べることが出来ないんです」  と、予想していた答えが返って来た。  これか?  これじゃないのか?  クランベル家が滅んだ原因は。  悪政がバレて滅びを招いたんじゃないのか?  うーん。  わからん。  貴族の普通ってのがわからんからなー。  どっちにしろ反感は買っているだろうし、いつ一揆みたいのを起こして屋敷を集団で襲ってきてもおかしくない。  これはあれだな、今の内に不安の種は刈っておくべきだな。
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