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いつも通りの翌朝・・・もう少しで日の光が、島の隅々にあまねく行き届きまして優しく温めてくれるでしょうというときーー
強烈な閃光が、島全域を包み込みましたーーそしてすぐに、耳をつんざく程の衝撃波が轟いたではありませんか
爆弾が、落とされたのです
すべてを引き裂かんとばかりの衝撃に、わたしの足許の根っこが剥がされそうになったのもつかの間、視界を覆う砂埃で息ができなくなりました
たくさんの鳥や虫や動物が吹き飛ばされて、わたしの身体に激しく当たって死んでいきました
かれらは呻き声もあげず・・・いいえ、おそらく何が起こったのかすら分からないまま、理不尽に命を奪われていったのです
唐突にわたしは思い出していましたーー数日まえ、東に800キロメートル離れたところにある大陸で戦争がおこっていたことを、ここに寄り道された貿易風のおじいさんから伺っていましたことを
しかし、だれの眼にも触れない平穏なこの場所が襲われるなんて、まったく考えもしませんでした
・・・わたしの意識は、ゆっくりと遠退いていきましたーー
気づいたときには、ひたすらに亜鉛色の世界がひろがっていました
わたしは生きていたのです
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