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ああ神さま どうかお願いだから
あの子が命を落とさなければならなかった理由をおしえてください
あの晩 わたしたちは星をみる約束をしました
その夜はもう訪れないのです
あんまりじゃありませんか
あの小さな小さな 希望で満ち溢れた子どもが 何をしたというのですか
あの子の人生はこれから始まるはずでしたのに
もっと遊びたかったでしょう
夢を追いたかったでしょう
いろんなことを学んで 失敗して傷ついて
成長して いろんな人と出会って
無限の可能性と百花繚乱の未来が待っていたでしょう なのに
あの最後の日 もしかしたらあの子は
だれかに謝りたいことがあったかもしれません
だれかに大切なことを伝えたかったかもしれません
少なくとも
わたしはあの子に伝えたかった
あなたと会えて幸せだったよ、って
これだけ長く長く生きていたくせに
わたしはあなたと過ごした日々が幸せすぎて
それが当たり前になってしまって
かけがえのない宝石みたいな時間が どれほど価値のあるものなのか思いもしなかったのです
後悔しても仕方のないことばかり後悔してしまうのです
ほんとうにわたしはばかです
どれほどの後悔に沈んでも
あの子とわたしの距離を葉っぱ1枚ぶんも縮めてはくれません
この心がどれだけ血と涙を流しても、あの子は帰ってこないのです
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