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ララク・・・ーーわたしは、ララクがそんなことを考えていたなんて想像もしたことがありませんでした 驚きのあまり声を失っていると、
あっ、けがしてるよ、パスクアーーかれは慌てたようすで指を差してきました
それは、わたしの胴から伸びている吹き枝でした 古くなったせいで折れたのでしょう・・・ぎりぎり残った繊維で身体に繋がっており、ときどき吹く風に煽られ頼りなく宙に揺れているのです
ああ、これねーーわたしは苦笑いしましたーー気にしないで、こんなの四六時中あることだから
ちょっと待っててーーしかしかれは、みずからの衣服を千切って、わたしの折れた枝に巻きつけてくれました
次はこちらが慌てる番でしたーーそんなことをしたら、ララクが風邪を引いてしまうよっ
ぼくは風邪なんて引かないよ それに、これは鳥の羽根や花で作った服なんだから 自然のおかげで着れている服を、自然のために使うのはあたりまえだよ
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