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それ以来、悪魔は毎晩星を見るようになった。
「人は死んだら星になるのよ」
彼の最愛がいつか口にした、その一言だけが今の悪魔の心の拠り所だった。彼女に出会う前ならくだらないと一蹴したであろう迷信が、折れそうな心を何とか支えている。
不意に空を一筋の光が流れた。一瞬で消えた光に、悪魔は見間違えたのだろうかと思った。そして気づいた。あれこそが、ずっと焦がれ続けてきた流れ星だと。悪魔が生まれて初めて見た流れ星だった。
彼女が逝ってしまった今、もう願うことはない。だが、不思議と悪魔の目は流れ星に惹きつけられた。
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