永遠の時を君と共に

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「心残りがあるとするなら、貴方と流れ星を見れなかったこと」  死の直前、女性は息も絶え絶えに言った。震えながら悪魔の手を握り返す。悪魔は一層手に力を込めた。彼女を壊してしまわないように、最大限の注意を払いながら。 「流れ星が見れたら何を願ったのだ。身体が癒えるようにか。永遠の命を得られるようにか」  女性は悪魔の問いに、いいえ、と静かに首を振った。 「私が逝った後も貴方が笑えるように」 「其方がいなくては笑えぬ」  間髪いれずに入った否定に、女性は苦笑した。困った人ね、と細められた目が語っていた。 「では、貴方にとって刹那でしかない私との思い出が永遠になるように」  悪魔は首を傾げた。彼の最愛は時々、悪魔にはわからない人間の考えを口にする。 「決して私を忘れないで。貴方が忘れない限り、私は貴方の中で生き続けます」
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