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「あ、あの…」
あれから美少女先輩達は「あとは2人でごゆっくり〜!」と言い、俺とイケメン先輩だけを残して去っていってしまった。
こ、この空気感どうしよう…!
俺が迷っているとイケメン先輩ははぁ…と小さなため息をついた。
「…お前絶対俺としずく(美少女先輩の名前)間違えただろ、俺達苗字一緒だしクラスも一緒だからな…よく間違われるんだよ」
先輩の上履きを見ると、そこには美少女先輩と同じ椎名(しいな)という苗字が書かれていた。
俺やっぱり間違えたのか…。
俺がショックを受けていると先輩は俺のネクタイをぐいっと引っ張り自身に寄せて、俺の耳元に口を寄せた。
「…っ!?」
「…まあ、かと言ってなかったことにする気なんてさらさらないけど。これからよろしくな、瀬戸あさひくん?」
ええっ、これはなかったことになる流れじゃないの!?
元はと言えば俺がいけないんだけど…
俺はこの流れでさすがに断れる訳もなく「ひゃ、ひゃい…」となんとも覇気のない返事をし、先輩に頼りねえな、と笑われてしまうのであった。
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