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「お風呂どーぞ」
「うん」
夕食を食べ終わって、先にわたしがお風呂に入り、ソファでテレビを見ていた悠太に声をかけた。
「バスローブ、えっろ……いつもそれ着てるの?」
バスローブ姿のわたしを見て、悠太は目を丸くした。すっと立ち上がって、とことこ近づいてくる。
「そ、そうだよ? なんかちょっとリラックスできるというか……」
「その下、ノーブラ?」
パッと、けさホテルでしたみたいに、悠太はバスローブの合わせをめくる。思わず後ろに下がったけど遅かった。
「なんも着てないじゃん、いつでもできるな」
「もう……」
悠太の手をそっと払って、合わせを直す。急にそっちのスイッチ入れないでよ。恥ずかしくて思わず目を伏せる。
バスローブのノーブラノーパンは、一人暮らしをするようになって覚えた。
狭い社員寮のワンルームでも、バスローブを着れば気分は上がったし、独立しているところを夢見るにはうってつけだった。
「風呂、最後掃除しとけばいい?」
「あ、ありがと」
「掃除道具どこ?」
こっちだよと、脱衣所に案内する。悠太に掃除道具の場所を教えて、脱衣所を出ようとすると、後ろから耳元でささやかれる。
「ベッドで待ってて。寝たらおしおきするからな」
顔がカッと熱を持つ。バッと悠太の方を見ると、なんだか嬉しそうな顔。かと思うと背を向けてさっと服を脱ぎ、浴室に入っていった。もうっ……そんなの期待しちゃうじゃん。
わたしの体、嗜好が目当てだとわかっていても素直に体が反応する。好きな人に抱かれることがこんなに嬉しいことだなんて知らなかった。そう思いながら寝室に行き、ベッドにぼすっと倒れ込む。
照明のリモコンを操作し、コーヴ照明を付けてオレンジ色の薄明かりにする。ムード作るなら、こんな感じかな。
ベッドの向かいの広い白壁。プロジェクターを使ってテレビを見られるようにしてある。
ごろごろしながら、録画しておいたドラマの続きを見ていると、寝室のドアが開く。ハーフパンツに上半身裸の悠太が、髪の毛を拭きながら入ってきた。
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