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「は、は、は、早かったね」
「え? ああ俺風呂は早いから」
「そ、そ、そそうなんだ」
慌ててテレビを消す。ベッドに乗った悠太が、わたしの顔をのぞきこんだ。
「緊張してんの?」
「へっ? そ、そんなこと、ない」
「きのう、あんなにしたじゃん」
「そ、それはそうだけど……」
悠太はニヤリとすると、3階行こ? とわたしの手をとった。3階? あいてる部屋で何するんだろう。
「3階に、テラスあったじゃん。あそこでしよ」
「へぇっ!? そ、そと?」
「いいだろ、近くには家もないし、車も通らないし、きょうはそんなに寒くないし、蚊はだいぶ少ないし」
よくもそうつらつらと喋れるなと、感心する。いやいや待って待って!!
手を引かれ階段を駆け上がり、バタンとテラスに続くドアを悠太が開ける。真っ暗な闇の中、街灯のあかりが遠くにポツンと見える。
テラスにはガーデンチェアとテーブルがあるだけ。
「紗矢香」
呼ばれて顔を上げると、顎を掴まれて、キスが降ってくる。ちゅっちゅっと音をたてながら悠太の舌が、いやらしく私の口腔内を蠢く。
「はっ……はっ……」
すっと離れた悠太。わたしは優しくて、いやらしいキスにもうとろとろ。
「えろい顔。なぁ、ほんとに俺でいいの?」
なんでいま、そんなこと訊くの? 切なそうな悠太。その顔を見ただけで胸がきゅんとする。
「うん、わたしには悠太しかいないから……」
「そこ。手、つけ」
「へ?」
「いいから」
「えっ、わっ!?」
ぐるっと向きを変えられて、丸いテーブルに手をつく。パッとバスローブをめくられると、おしりに冷たい空気が触れた。
「やっ、待って悠太……」
「待たない」
「んんうっ!! あぁっ」
急に脚の間を撫でられて、背中がのけぞる。
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