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「オレンジでなくマンゴー…へぇ、見ただけじゃわからないね」
聖さんは二度頷いたあと大きな口を開けて美味しそうにサンドイッチをかじる。それを見ながら誰かに似ている顔立ちだと…誰だろう?
「ん?どうした?食べる?」
じっと見てしまったか…物欲しそうに見えちゃったんだ、と慌てて首を振った。
「誰かに…似ているなって…ごめんなさい」
「いいよ。誰かなぁ?」
「…○藤健…かな?」
「あー言われたことあるよ。俺アメリカに数年いたんだけど、こっちに帰って来てから何人かに言われた。怖い○藤健の身長高い版だって」
確かに…キリッと怖い版かもしれないけどそれは言えない。
「身長高い版…確かに聖さん大きい」
「うん、188。で、俺知らなかったから調べてみたら同い年だった。今年33…光里は?レディに聞くのは失礼だけど…」
「…27です」
「そう。俺もう少し何か買ってくる。まだ入りそうだ」
食べ終わったばかりの聖さんがお腹を撫でるから、何だか可笑しい。
「大きいから…」
「だな。体は食べたもので出来てるからね…ちょっと待ってて」
彼は自分のトレイを持って立つと、再びオーダーするため入口の方へ歩いて行った。今日は、モンブラン無理かもしれないと思ったほどの体調だったが、ミルクたっぷりの熱いカフェオレを飲み、少しのヨーグルトを食べると体が動いている気がする。そう思い私もさっきの聖さんのようにお腹を撫でた。
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