大きな一歩

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「…眠れな…ぃ…日があると…思うの…」 「うん…そうだね」 「…そのときは…眠れるまで…側に…いて」 光里の震える声が俺の感情を大きく揺さぶる。愛しい静かな声に激しく揺さぶられる。 「必ず側にいて光里を温めるから…何も心配ないよ。眠れない夜が何度来ようが俺がいる。眠れるまでだけでなく…朝まで抱きしめるよ」 俺のセーターを握ったままだった彼女の手がそっと俺の腰に回る。その位置に30センチの身長差を感じながら再び唇を重ねた。 緊張しているのか、込み上げるものがあるのか…光里の唇が震えているようで、すぐに唇を離すと両膝を床につき彼女と視線を合わせる。 「ああ…光里、我慢しなくていいよ」 瞳いっぱいに涙を溜めた光里の涙袋をそっと撫でる。 「…っ…だって…」 「うん?」 「…理由は…ないの…何でか…何でかわから…ない…」 「理由がわからなくても泣いていい。光里が自分でも気づかないほど頑張った思いなんかが溢れてくるんじゃないか?泣いていいんだよ。眠れないときだけでなく、泣きたいときも一緒にいるよ。いっぱい泣いて…それからまた一緒に笑って一緒に眠って…その繰り返しでいいんだ」
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