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「ね。今でも来てくれる?」
意地悪な質問だ。あの頃とは違う。若さも体力もなくなってしまった。あんな雪を経験したこともあれ以来ない。次の日の仕事だって考えてしまう。それでも。
「行くさ。きっとな」
あの時、飛びだなかったら今はなかったのかも知れない。目の前にいる君から聞ける声が違う誰かに向けている可能性だってある。
だから。
「きっとなんだ」
全部お見通しなのだ。きっとじゃない。それは自分自身がよくわかっている。おんなじ状況に置かれたらじっとなんてしてられないんだ。
「絶対だよ」
そう小さく呟いたら。君は嬉しそうに笑うんだ。
飛び出してよかった。なんて、今更ながらそう思う。
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