或る部屋と魂について

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 事が終わると、日登美はまず窓を開けた。  異臭で近所に気づかれるぞ、と俺が窘めると、日登美は「いいでしょ、ちょっとくらい」と言った。 「そんなことより、さっさとお姉ちゃんをこの部屋から追い出さないと」 ――……それもそうだな。  それに関しては俺も同感だった。流石にずっとこうしてはいられないが、数分くらいは良いだろう。  風の強い日のことだった。
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