第34話「君と繋ぐ、未来へ。」

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「……渚。きっと、これが最後じゃない」 「荒玖……」 「渚が言ったんじゃないか。また会えるって信じてるって。だから、笑ってお別れしよう」 「……ぐすっ……うん……っ」  ゴシゴシと服の袖で涙を拭ってからようやく頭をあげる。  その顔にはいつも通りの笑顔があった。 「ごめんなさい。仕切り直しで!」 「あぁ」 「本当にありがとうございましたっ! ここでみなさんと出会えてとっても嬉しかったです! ずっとずっと忘れないし、フィーネが大好きですっ!」 「ナギサ……っ!!」  レオが涙を流しながらも笑顔で大きく手を振ってくれる。 「俺もナギサやスザク、他のみんなのこと、大好きだよっ!! 絶対に、絶対にまた会おうね!!」  そんなレオにつられるように冬季とハルも声を上げた。 「おう、俺も忘れないぞ! みんな元気でな!」 「美晴も、ナギサくんやヤマトくんも、他の人たちも、せいぜい元気で生きてよね……!」 「はは、ハルさんは相変わらずだな〜」 「うるさいよ、美晴!」  ハルの相変わらずの言い草にツッコミを入れる美晴に、その場に笑いが起こった。 「ナギサーー! 絶対にまたナツに会いに来てね……!」 「うん、必ず! その時にはナツちゃんがどんなふうに成長してるのか、楽しみにしてるから!」 「なら、私がナツの成長記録でもつけておきましょうかね」 「ティオさん、よろしくお願いしますっ」 「えぇ!」  楽しそうに頷き合う渚とティオを見て、アルシアが眦を下げて嬉しそうに見つめる。
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