そっくりな少女

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十分も走ると、一気に田舎に突入する。 このくらいの時間に、自転車で一人で帰るとき、この辺りからは、急に住宅もまばらで、街灯も少なくなるから、不安になるところだけど、今日はママと一緒だから怖くない。 山道に入ったとたんに、少し雨が激しくなり、ママがワイパーを強めた。 「明日も雨かなぁ……」 まゆが呟いた瞬間。 ヘッドライトが白いものを照らした。 「危ないママ!」 「きゃぁあ!」 ――ガッガガガッ。 ABSが作動したものの、雨の中で車は急に止まれない。 ――当たる! 交わし切れず、そして止まれず、速度はかなり落ちてはいたけど、停止する直前に軽くドンっと衝撃があった。 「やっちゃった」 ママが真っ青になって両手で口を覆う。 まゆは初めての経験に、心臓がバクバクと激しく鼓動した。
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