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現在
小さな木製のドアの腰から上はガラスがはめ込まれ店内を覗き見ることができる。しかし、覗く必要もない。ここに乃愛がいるのだから。
「いらっ…しゃ…?」
「ん?しゃ…?でおわり?」
「…」
「乃愛」
いつまで‘しゃ’の口で止まっているんだ?狭い店内を数歩で乃愛の前まで行くと、彼女の顎を指先でカクッと上げてやる。
「あ…ありがと?玲央?」
「どういたしまして、乃愛」
乃愛の表情が動き出したのを見て、俺は店内を一周する。
「どうしたの?ここで何やってんの?何しに来たの?なんでここ知ってるの?」
「そんなに早口で4つも質問されても答えられない」
「4つもって、玲央はちゃんと聞き取ってるでしょ?答えて」
動揺を隠さない乃愛の様子に気分が上がる。俺を見てまだ動く部分はあるってことだ。
「乃愛に会いに来た。4つの質問全ての答え…乃愛に会いに来た…それだけだ」
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