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‘お疲れ、乃愛’
「玲央も。もう仕事終わってるの?」
‘乃愛と同じく8時半に終わった’
9時半に玲央から電話があった。
「食事は?」
‘食べながら話そうと思って、カニかまチャーハンが今ほかほかで目の前にある。いただきます。乃愛は?’
「今にゅうめん食べてるところ。いいなぁ…ネギと玉子たっぷりの玲央のチャーハン」
‘今度作ってやる。明明後日の日曜日の昼飯にする?うち来いよ’
「大盛でお願い」
‘明明後日までに時間作って夕方迎えに行こうか?飯ぐらい行けるぞ’
「…」
ズーッと音を立ててにゅうめんを食べながら
「ちょっと忙しいから明明後日のチャーハンで」
‘じゃあ、カニかまじゃなく焼豚にしてやる’
「玲央っ、大好きっ、愛してるっ」
‘ふっ…焼豚に妬くところか?’
「そうとも言える?あははっ…ありがとう、玲央。日曜日にちょっと話を聞いて」
‘いくらでも’
「今日何も聞かない玲央が好き」
‘知ってる’
「私も知ってるの。玲央が店を気にしてくれてることも…でも一人で足掻かせて」
‘存分にと言っただろ?自分の人生をコツコツと作り上げている乃愛を尊敬もするし愛してもいる。だから約束の3月までは見守る…こうやってな’
結局1時間ほど話をしたけど今日は何も言わなかった。ある程度出来上がった時点で話さないと玲央の心配を助長してしまうから。
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