チューリップラブ

頃来

24日、玲央も私も仕事。玲央は夕方から長谷川くんの披露宴に出るので夜遅くまで帰って来ない。例のワインセラーの配達は18時から20時なので玲央がいない間に受け取れる。彼のマンションで受け取ることを考えて玲央の名前で届くから私が18時に店を閉めてからここを出ても、コンシェルジュさんが受け取ってくれているはず。

店を閉めてから自分の部屋ではなく玲央のマンションへ向かう。外からエントランスドアを開けて

「こんばんは。榊原宛に大きな荷物が来ていませんか？」
「こんばんは、栫井様。今は何もお預かりしておりません」
「20時までに届く荷物、彼へのサプライズなので今彼はいませんけど受け取りたいんです」
「かしこまりました。大きな荷物でしたら私どもの方でお部屋までお持ちします」
「助かります。お願いします」

コンシェルジュさんへ荷受けをお願いできた。30分ほどで到着した荷物を受け取ると、コンシェルジュさんが外箱を捨ててくれると言う。お言葉に甘えて玄関で開梱して箱をお願いすると

「よいクリスマスを」

と微笑んだコンシェルジュさんがドアの向こうへ消えた…まるでホテルだね。ゆっくりとキャスターを動かして目的の場所へ置き電源を探す。設定温度が選べるけどわからないのでとりあえず真ん中にしておいた。中が一定温度になってから使えるらしいので今日はこのまま帰る。ワインを一本も買ってないことは笑って許してくれるだろう。