頃来

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「もう2本出して、それ。乾杯するぞ」 「何も手伝いしないでごめんね」 「皆何もしてない。受け取って並べただけ。聖、乾杯」 「栫井さんに譲るよ」 「栫井さん…聖、頭大丈夫か?」 「玲央、三鷹くんね、お店に来たときも栫井さんって言うの。たぶん光里ちゃんのためよ…ね?」 「違う、俺のため。俺が光里に誤解されたくないから」 「聖…お前な、気持ち悪いから大学の時と同じように乃愛と言ってくれ。光里ちゃん、大丈夫だよな?」 「はい、大丈夫です」 「ん、だって。聖、乾杯」 「だから…乃愛に譲る」 「ハイハイ、お任せくださいな」 そう言って私がグラスを持って立ち上がると、光里ちゃんも立つ。 「えっ…間違えた?」 座ったままの玲央たちを見て呟き、そっと座ろうとするので 「あってるよ。彼らがグータラしてるのよ。皆様ご起立下さい」 皆を立たせてから 「再会と出会いに感謝して…メリークリスマスっ、乾杯っ」 「「「メリークリスマス」」」 4つのグラスを合わせた。
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