頃来

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惚れ直したわ、玲央。三鷹くんもカッコ良すぎでしょ? ‘榊原さん、聖さん…惚れました…皆…魂抜かれてます…’ ‘ふっ…大垣に惚れられたってよ’ ‘微妙…この曲は愛を歌っているけど…It's the heart afraid of breaking that never learns to dance.It's the dream afraid of waking that never takes the chance.という部分が俺は大好き’ ‘聖が今言ったのは、心が傷つくことを恐れていては、ダンスを学ぶこともできない。夢が破れることを恐れていては、チャンスをつかむこともできない…ってことです’ というやり取りが流れたところで玲央が映像を止めた。 「昨日のこの聖のセリフって光里ちゃん向け?」 「玲央がそう思うならそうかもな…」 「…玲央に一票…私もそう思う。三鷹くん、席かわって」 先ほどの光里ちゃんの様子から私もそう思う。 「そんなに深読みしなくても、俺が好きだから好きって言っただけ。光里へ向けての言葉と言えば…そう。そういう思いはあるけど、光里が恐れることがあるなら俺が抱き抱えて乗り越えればいいとも思う」 光里ちゃんの隣に戻った三鷹くんの言葉に 「俺と乃愛にはあり得ない形だな」 と玲央が私の手を握る。 「そうだね、あり得ない…けど三鷹くんと光里ちゃんの形。私は困難を目の前に抱き抱えられたら飛び降りちゃう」 「そういう乃愛が好き」
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