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続きのアンコール曲までの2曲も聴き終えると
「素晴らしいエンターテイメントだね。最後はクリスマスっぽいなんて素敵過ぎ」
楽しい気分でお酒も進む。
「乃愛、ちょっと多くないか?大丈夫か?」
「大丈夫、大丈夫」
玲央の肩を叩いて答える。
「乃愛、酒強いの?結構飲んでるよな、このスパークリングばっかり」
「1種類しか飲まないと酔わないよ」
私の好きなスパークリングワインの瓶を手に取りラベルを見る三鷹くんを光里ちゃんが覗き込み
「アルコール度数が低いの?」
「光里のワインより低いな。でもビールの倍はあるだろ?」
「そうだね」
目の前の静かなやり取りを眺めながらまたグラスを傾ける。
「クリスマスと言えば‘光里’も三鷹くんの‘聖’もクリスマスを連想できる名前よね?私、昔からヨーロッパが大好きだけど…漢字がある国に生まれて良かったって、こういう時に思うの」
「確かにアルファベット26字では表せない、音だけでない意味があるよな」
「でしょ?私は自分の名前も好き。乃愛の乃という字は、弓の弦を外したとき緩く垂れている形からできたらしいの。だから弓の弦を外したときのままの状態から‘ありのままの様子’を意味するんだって」
「それにプラス愛って素敵な名前ですね。乃愛さんにとても似合ってると思います」
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