頃来

23/33
前へ
/87ページ
次へ
「玲央は知ってる?名前の由来とか」 「玲が、玉や金属がふれ合って鳴る美しい音を表すとか、透き通るように美しい様子らしい。で、母親が真央だから央。女の子だと思って名前を考えてたけど生まれたのは男の俺。でも、親バカなことに…美しい子だと思ったらしい」 「それでそのまま玲央って名付けた?」 「そう」 「「ぴったりだ」」 「お前らが息ぴったりだな」 声の揃った光里ちゃんたちに玲央が笑い、ますます楽しく飲む。 「二人も知ってる?」 「聖ってさ、耳と口と王って書くだろ?」 三鷹くんの言葉に指で宙に大きく聖と書いてみる。 「そうだね」 「神のお告げを聞く耳、神へ祈る口、そして君主…漢字は調べると大層なものだと思うけど、親は賢い、聡いという意味を込めたって」 「その通りに育ったんだね、三鷹くん」 「ははっ…乃愛さん、ワインお注ぎしましょうか?」 ワインを入れてもらいながら 「光里ちゃんは知ってる?」 イチゴを食べている光里ちゃんに聞いてみる。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4338人が本棚に入れています
本棚に追加