頃来

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寝たか…ふっ…飲み過ぎだ、乃愛。 テーブルに腕を投げ出し伏せた乃愛をそのままにキッチンを片付けてしまう。レストランデリの大皿はさっと流して返すだけ、あとは食洗機へ入れる。ワイングラスだけ手で洗いながらワインセラーを見やり頬が緩んだ。 乃愛は今日も誰に気を使ったのではなく、常々初対面でもフレンドリーで、今日のような集まりが大好きだ。大学の時も俺と付き合っていながら合コンに誘われれば張り切って出掛けていた。もちろん俺に前もって断り、合コンの最初に‘付き合っている相手はいるけど盛り上げまーす’と言うらしい。だから乃愛は女にやたらと合コンに誘われていた。 最近店のことでいろいろ考えていたようだから疲れもあるのだろう。先日俺が口出ししたことも大人しく聞き入れたからな。 聖は恐れや困難があれば光里ちゃんを抱き抱えて乗り越えるらしいが、俺は乃愛の困難を人知れず遠隔操作で取り除いてやろうか…壱に頼むか… いびきこそ聞こえないが深く眠る乃愛を担ぎ上げてベッドへ下ろす。少々動かしても起きなさそうなのでワッフルニットのワンピースを脱がせるとキャミソールドレスを着ているのでこのまま寝かそうと思う。分厚いタイツを脱がせようとドレスを捲ると…そこは乃愛だ…しっかりとガーターベルトを着けている。ガータータイツは脱がせたが、ガーターベルトを脱がせるにはショーツを脱がせるしかないな。
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