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最高だな、乃愛。 クライアントとのWebミーティングのためオフィスへと車を走らせながら、自分の頬が緩むのを感じる。嬉しい時、気持ちを言い当てられた時、決まって違うことを言う乃愛が健在だ。何も変わっていない。 ハセイチビルの地下駐車場に車を止めると、俺の車の向かい側に壱の車が止められた。 「こんにちは、紫乃さん」 運転席と助手席が同時に開き、俺は紫乃さんへ挨拶する。 「榊原さん、こんにちは」 「休憩?」 「はい。いつもお昼はうちか、ここのカフェのサンドイッチを食べるんですけど、壱がラーメン食べたいって」 「ラーメンランチデートしてきたんだ」 「…はい」 「紫乃、デートって言葉ぐらいでそんなに可愛らしく照れんなよ。榊原さん、見ないでください」 エレベーターの中で壱が紫乃さんを抱きしめ俺から隠すと彼女は余計に赤くなってるようだ。 「壱、いい焼き肉屋知ってる?」 「知ってますよ」 「紫乃さんも行ったことある?」 「…1回行ったところかな?」 「そうだ」 「女の子から見てもいい店だった?」 「はい、とっても。臭いも気にならないまま、美味しくいただきました」 「そう。壱、その店あとで送って」 「女の子連れて行く気?」 「乃愛」 「ああ、もう…わかった。すぐ送ります」
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