頃来

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「玲央…ありがとう」 「ん、婚約でも結婚でも何でもない。今もこれからもそんな既成に囚われるつもりはないが、俺が乃愛に捕らわれて乃愛が俺に捕らわれているのは永遠」 「そう、その通り」 「俺には乃愛で乃愛には俺」 「それしかないね」 「だからそれをプレゼントする」 「最高のパートナーだからね、玲央は」 「だろ?」 「4月からここでよろしくね」 「任せろ」 「英語の家庭教師は3月いっぱいで辞めるって言ってきたの」 「そうか」 「家賃を賄ってた収入だからね。ここでは家賃は支払いませんが悪しからずご了承ください」 「ん、いま了承した」 「ありがとう」 「乃愛はそんな金の心配しないで好きなように店を回せ」 「うん」 「店の金には敏感でいろ。ここでの生活には鈍感でいい」 「ますます最高、玲央」 「好きなことしている乃愛が一番魅力的だからな。それが俺の好きな乃愛」 そう言った玲央を私はベッドへ押し倒した。 「ありがとう。ベッドの私も好きでしょ?」
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