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校長先生のヒミツ
校長先生は、
「これが、でんすけのヒミツだよ」
と人差し指を立てた。
「何故本当のことを知っているの?」
「実はね、私のおじいさんのおじいさんが、でんすけに助けてもらった『もう一人の伝助』なんだ」
校長先生は古い賞状を見上げて、
「でんすけさんがいなかったら私達は生まれていなかった。でんすけさんに戴いた命だからこそ、私達村長の家系はこうしてひっそりと、しかし確実に伝えていかねばならない使命があるんだよ」
優は下を向きしばらく考えていたが、やがて校長先生の方へ向き直り、
「僕は……やっぱり一番じゃなかった。ねえお父さん、僕もいつか本当の一番になれるかな」
「もちろんさ。まさるは、『賢』『勇』『優』を名前に持つ私の自慢の息子なのだから」
校長先生は空に指で三つの漢字を大きく書き、優を抱きしめた。
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