若者と子供

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若者と子供

昔、塔倉山に、炭焼きを生業にしている若者が住んでいた。 いつしか心優しい若者を慕って、身寄りのない子供が一人若者の家に住みつき、二人で仲良く暮らしていた。 若者は村一番の笛上手で、いつも美しい笛の音を奏でていた。 少年の方はというと、特に誇れるような特技はなく、計算するのでも重い物を運ぶのでも村の子供達に助けてもらうような子だったが、こちらも大変心優しく誰にでも親切で、二人共、村の皆に好かれていた。 ある夜のこと、若者がいつものように笛を奏でていると、いつのまにか美しい娘が大岩の上で自分を見ているのに気付く。 二人が仲良くなるのにさほど時間はかからなかった。 二人は月夜に笛を奏で、楽しく話していた。 少年はそんな二人を見るとそっと家に入り、邪魔にならぬよう床についた。 そんな日々が続いたある夜、娘の元気がだんだんなくなっていくように見えた。 若者は心配になって、 「どうかされましたか? 私で良ければお力になります」 と娘に話しかけた。 娘はしばらくためらっていたが、若者に近付き話し出した。
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