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ドキドキしながら、はじめてメッセージを送った日のことを鈴寧は今も鮮明に覚えている。その日以来、鈴寧は成田と相互フォローとなり、ことあるごとに互いの小説の感想や、日々のささいな相談ごとなどをメッセージ機能を使ってやり取りしてきた。
だが、成田のファンは鈴寧だけではない。鈴寧のフォロワーは、たったの10人。対する成田のフォロワーは150人もいる。当然、鈴寧のように成田にメッセージを送ってやり取りをしているクリエイターは何人もいて、最近では鈴寧への返信が滞ることも増えてきた。
つまらないし寂しい。
かといって、成田の気を引けるような話題を提供することも鈴寧にはできなかった。小説そのものに詳しいわけでもないし、成田の悩みに答えられるほど執筆に関する知識があるわけでもない。時おり成田がこぼす執筆に関する悩みや愚痴は、正直なところ、鈴寧にはまったく理解のできないものだった。書いてある言葉の意味すらわからないのだから、アドバイスなどできるはずもない。
だんだん成田が遠くなっていくような気がして、鈴寧はついつい成田に愚痴をこぼしてしまった。
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