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「あたしが頼んだんです。何でもいいから人の役に立ちたかったから。廃棄担当って裏方で誰も気にも留めてくれないけど、結構大変なんですよ。『まるで葬儀屋だ』っていつも中野さん言ってました。でも彼女はそれを一人で黙々とこなしていて。忙しくて寂しい仕事です。あ、神田さんのメールだけはいつも喧嘩腰で、にぎやかで楽しかったですけど」  あ、そう。俺は照れくさくなり天井を仰いだ。中野とはしょっちゅう遣り合ってたからな。しかしそれを人に見られてたとなると気恥ずかしいものが――ああ、リコはロボットだけど。なんて言ったら、中野に『ヒューマノイドだ!』とまた突っ込まれそうだ。 「でも、」  とリコは続けた。 「喧嘩腰のメールをくれるのも神田さんだけだったけど、アンドロイドを入れた棺に缶コーヒーを添えて送ってきてくれるのも神田さんだけでした。中野さんとあたしはそれを半分こするんです。中野さんがもらったコーヒーなのに、メールを入力したのはあたしだからって。律儀な人なんですよ」  むう。微笑むリコに俺は内心で唸った。俺に告白していると見せかけて、実はこいつ中野の方が好きなんじゃねえか?
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