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 政府開発事業団の歴史は古い。  今から200年以上も昔、2020年のことだ。  当時は宇宙開発費用の予算削減の煽りで、徐々に宇宙開発の先進国から遅れを取りつつあった日本は、優秀な技術者を次々と世界に逃がしても手をこまねいて見ていることしかできなかった。後進国の追い上げも熱く、このまま続けても決してトップになることはない。  見切りをつけた政府は宇宙開発から完全撤退し、友好国への忖度も度外視し密かにロボット開発の分野に注力することを採択したのだ。その時に創られたのが我が『政府開発事業団』。  手先の器用さと神経の細やかさにかけては世界一の日本人である。元々リードしていた分野であったことも追い風となり、ロボット技術の最先端を走るようになって久しい。
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