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ビューワには一瞬にして仕事関係の人物画像が格納されているフォルダの一覧が表れる。そのうちのとあるフォルダを順に探っていき――ビューワが見つけるよりも一足早く、俺の脳がそいつの素性を探り当てた。
まさか――あいつなのか?
驚愕した俺の眼に、ビューワが捜し当てた彼の画像が映し出される。
『サービス業タイプ、愛称はタローくん』
備考欄には「廃棄処分済み」の赤文字。
どういうことだ。
現実逃避のつもりでタローくんから目を逸らした俺は、何の気なく車内を見渡し、目を見開いた。
たっ、タローくんだけじゃない!?
ドアの脇に寄りかかって立っている眼鏡の男も、たった今目の前を取り過ぎていった七三分けの男も、俺の同僚にそっくりで、かつ、今週この手でスプラッタ送りの烙印を押した記憶のある連中だった。
いやいやそんなことあるわけないだろ。
瞼を固く閉じ、指先でこめかみを揉んだ。夢だよ、夢。疲れてる時に限って妙に現実味のある夢を見たりするじゃないか。きっと見間違い、他人の空似ってやつだ。
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