味方は永理だけ

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味方は永理だけ

 永理がはじめて現れたのは、お父さんと遊んだおままごとの道具を、1人で片付けている時だった。 「手伝ってあげる。」 「え?」  ふいに聞こえた声にふり向くと、なんと白い大きな翼のある綺麗なお兄さんが立っていた。 「てん………し?」 「うん、そう呼ばれてる。  でも、名前は『えいり』っていうんだ。  お片付け、急ごう。  お兄さん、あんまり時間ないんだ。」 「う、うん。」  驚きで涙も引いて、亜華は天使とお片付けをした。 「片付いたね。  じゃあ、またね!」  そう言って、天使は消えた。 「ほんもの………だ。」  それ以降、父親が帰宅するたびに、永理は亜華の部屋を訪れるようになった。
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